13巻。
「忠三郎転生」ううん。いくら、七重と宗太郎を片付けるためとはいえ、忠三郎は勿体なかったんじゃないかと思うのでした。大きくは、人物の関係を整理する巻。
12巻の模索は、「夕涼みの女」「大川の河童」「麻布の秋」で、ある意味、一時撤退というか、バランスの取り直しが伺われるけれども、「麻布の秋」「春の寺」を並べると、まだまだ、何処かで人の心を不確定というか、進行状態で置いてそれを利用するというのに未練がある感じ。
「夕涼みの女」の様に、登場人物達を核心に近付けないまま、狂言回しにして展開するという形式が上手くいくだけに、もうひと味、どうにかしたくなるのは、わからなくもない。
そういえば、NHKで新たにドラマになっていた様で、見てしまった(笑)。オドロキというか、お吉を偶然にも、鷲尾真知子で読んでました。慣れるにつれて、誰々と具体的な役者の顔は無くなっていったのに。お吉だけ、鷲尾真知子がちらついて、いかんなあと思っていたところに、NHKのドラマですっかり固定されてしまった。全く。見るんじゃなかった。
修行続行します。
収録作品
・夕涼みの女
・大川の河童
・麻布の秋
・忠三郎転生
・雪の夜ばなし
・鬼の面
・春の寺