御宿かわせみ「秋の蛍」
天気が荒れて大川の水位があがり、宿の客も日本橋の他の宿屋に移ってもらうほどの事態になる。しかし、そこにずぶ濡れの老人と娘が宿を求めて訪れる。 江戸では押し込み強盗の話しが持ち上がっている。 天候が荒れ、大川の増水と、東吾… 続きを読む »
天気が荒れて大川の水位があがり、宿の客も日本橋の他の宿屋に移ってもらうほどの事態になる。しかし、そこにずぶ濡れの老人と娘が宿を求めて訪れる。 江戸では押し込み強盗の話しが持ち上がっている。 天候が荒れ、大川の増水と、東吾… 続きを読む »
東吾が代稽古を行う狸穴の道場に行く途中、一組の夫婦を見る。 年の割に老け込んだその様子と理由に対しての、東吾とるいの思いの違いも挟みながら、物語は進んでいく。 かわせみには、どうやら仇討ちらしい若い男女の客が逗留している… 続きを読む »
最初は逢引かと見ていた客が、どうやら春を鬻いでいる様で、宿泊を断っているところから始まる。 宿泊を断らてて去っていく女を東吾が見かけ、どうやらそれが、深川で一目置かれている芸妓の千代次だということがわかる。 このエピソー… 続きを読む »
平岩弓枝の『御宿かわせみ』を20年ぶりに通読する。20年前はとにかく勢いで一気読みしたが、2周目ということで、ゆっくり読んでいこうと思う。 シリーズの開幕のこの作品の初出が小説サンデー毎日昭和48年2月号というから、シリ… 続きを読む »
平岩弓枝の『御宿かわせみ』をまとまった量手に入れて、集中して読んだことがある。 ちょうどその頃、深川に住んでいたこともあって、なにかと読書が進んだ。 単行本に追いついて、やがてシリーズは明治維新後に息子、娘の世代を中心に… 続きを読む »
31巻『浮かれ黄蝶』 過渡期か?まだ過渡期なのか? 再び手探りを始めているのか、そろそろ追いかけるのも潮時かしらとも思っている次第。
久しぶりのかわせみ。『小判商人』ですが。この巻、どうも特筆すべきことは無し。 どれもええハナシに足りず、ハラハラもせず。 それにしても、皆、順当に歳をとってきてますなぁ。 『文三の恋人』恋人の女が、もう少しだけ濃ければ、… 続きを読む »
実は、7月末頃に現在の最新刊まで読み終えてしまっている。 「かわせみ」は連載開始当初の捕り物期を経て、形式の模索の中、時間の経過に耐えられず、否応無く大河小説になるという、恐るべき進行。 とりあえず、捕り物期と模索期の切… 続きを読む »
『佐助の牡丹』。 「三日月紋の印籠」で、久しぶりに素晴らしい数行。畝源三郎の妻、千絵の暢気さを、千絵を見かけたるいの内心を、そのまま視点を遊離させて、地の文と東吾の語りで解説する。淀み無く、一気に寄り道させられて、 その… 続きを読む »
23巻〜単行本版23巻『長助の女房』 文庫版と単行本版は数え方が違う様で……。単行本版の上下巻を、文庫化するときに、4冊に分冊したということの様です。 私、文庫版23巻『源太郎の初恋』以降は、単行本版を読んでおります。長… 続きを読む »
22巻。 この巻でも、「清姫おりょう」が最後に視点が移動して終る。作者解説よりはまし。主要人物以外の視点の扱いに関しては、後で再確認。 続行。 収録作品 ・横浜から出て来た男 ・穴八幡の虫封じ ・阿蘭陀正月 ・月と狸 ・… 続きを読む »
21巻。 めっきり力も油も抜けきって、何やら緊張感に乏しい展開が続いている中で、「蓮の花」の冒頭の大和屋の隠居、治郎八の語りの部分、久しぶりに良い運び。この巻はどのハナシも、そこそこに楽しく読めた。最初の頃の捕り物の謎解… 続きを読む »
20巻。 「お吉の茶碗」。 だが、奉行所の人々も、通之進も東吾も知らなかった。 と、作者が解説に出て来て、本当に解説して落とす!強引な背負い投げ食らってしまった感じ。 お吉の手もとに帰って来た茶碗が、実は萬古焼で、下手を… 続きを読む »
19巻。 ついに花世がふらふら歩き出しました。そしてまた、人の良い登場人物が増えて……。 ここ数巻、物語の時間を、現実の幕末にあわせて、きちんと同期を取ろうとし、そうなると、どうしても赤ん坊を子供に成長させざるを得なくな… 続きを読む »
18巻。 ここ暫く、人情話の方向に落ち着きつつある。特筆すべき事無し。 続行。 収録作品 ・念仏踊りの殺人 ・松風の唄 ・おたぬきさん ・江戸の馬市 ・冬の鴉 ・目籠ことはじめ ・秘曲 ・菜の花月夜
17巻。 特になんということもなし。 「矢大臣殺し」の、全員グルは、案の定のうえ、かなりやりすぎ。笑いました。 続行。 収録作品 ・尾花茶屋の娘 ・雨月 ・伊勢屋の子守 ・白い影法師 ・梅の咲く日 ・矢大臣殺し ・春の鬼… 続きを読む »
16巻 「煙草屋小町」、いつになく登場人物の内心を利用し、ユーモラス。ラストも、絵がしっかり決まり、冒頭では、ずっと別の事に気を取られていて、全く意に介していなかったるいが、おきまりの焼きもちやき。とにかく、終始絵が鮮や… 続きを読む »
14巻。 心理的に不確定な人物が物語の核になるという形式は、「六阿弥陀道しるべ」で、ようやく、安定感のあるものを見た。 登場人物Aの何らかの行動が引き金になって、登場人物Bが何かアクションを起こす。BがAを殺すハナシなら… 続きを読む »
13巻。 「忠三郎転生」ううん。いくら、七重と宗太郎を片付けるためとはいえ、忠三郎は勿体なかったんじゃないかと思うのでした。大きくは、人物の関係を整理する巻。 12巻の模索は、「夕涼みの女」「大川の河童」「麻布の秋」で、… 続きを読む »
12巻。 また、形式の模索期か、あきらかに低調。 「岸和田の姫」「息子」は、大名の姫君、似た者同士の職人の親子という典型パズルが上手くいった例と考えて良いだろうか。 どちらも、上手くはいっているが、積み木を上手く積んでい… 続きを読む »
11巻。 「虫の音」ここまでで最高の下げ!凄い!平岩弓枝先生!素晴らしい! 「さあ、おっしゃって下さいまし。どなたが、東吾様に鈴虫の声をお教えしたのか」 「それが……綱坂でね」 「どちらでございますって……」 「鬼女だよ… 続きを読む »
10巻。手付きも展開もすっかり安定した感じ。飛び道具系のハナシも、もう、ばたばたしません。 というか、真っ向からのオカルト風で、おいおいどうするのよ。と思っていたら、オカルトはオカルトのまま、別の所で類似の事件起こしてハ… 続きを読む »
8巻ぐらいから始まった、捕り物から少しずらしたハナシが、9巻ですっかり定着。非常に良い感じ。るいの悋気、東吾とるいの濡場での転換については、完全にパターンは解体。 濡場に関しては、やりかたひとつでかなり時間を稼げて、東吾… 続きを読む »
8巻。おお。捕り物のふりをしないハナシがまた乙。やっぱり素晴らしい腕力です。 収録作品 ・美男の医者 ・恋娘 ・絵馬の文字 ・水戸の梅 ・持参嫁 ・幽霊亭の女 ・藤屋の火事 ・白萩屋敷の月
7巻。「酸漿」は「ほおずき」ですね。 傾向として、最後の長い種明かしが必要になるハナシが苦しい。これは、登場人物の配置が、それに向かないための様に思える。 実はこんな事も……。という源三郎のさらりとした報告以上のものが必… 続きを読む »
6巻、ええハナシばっかりです。 というか、ええハナシに重点置き過ぎて、ちょっとバタバタしている。 それにしても、パターン化を、前向きに踏み越えはじめました。それまでは単に、静かになって、「お吉も嘉助も近付かな……」くなっ… 続きを読む »
5巻に突入。 東吾の軽口にるいの悋気という転換パターンがあったが、初めて、源三郎にまで矛先が向きかける。 東吾とるいのからみによる転換のパターンに比べて、単調になりがちだった所に、目立つバリエーション。しかし、これはアリ… 続きを読む »
4巻目に来て、ようやく、おいおい、それはどうも頂けねえなあというものが一本。これまでにも、ギリギリのものはひとつ、ふたつあったけれど、完全に外して、一本道の平板な出来。らしくない。 4巻に一本の割合なら、なかなかと思うべ… 続きを読む »
『御宿かわせみ』続行中。 えー、テーマは、ミニマルと物語。流す場所は流し、盛り上がる場面の絵はきちんと描く事。 いやー。凄いわあ。平岩弓枝。緩急自由自在。もう、上げられたり下げられたりで大騒動。 『渡る世間……』修行のと… 続きを読む »
家人の伯母さんから宅急便。中身は『百億の昼と千億の夜』『ベルサイユのばら』『風と木の詩』、どれも判の大きなやつ。思えば『百億……』をこの大きさで読むのは初めて。絵は矢張り大きいに越した事はない。以前、『日出処の天子』を文… 続きを読む »