このドキュメントは、感情的な惰性を排し、「態度」を戦略的に選択するための指標を示しています。
セリフの言い方を考えるのではなく、どう思考し、どんな態度を取っているかの裏付けがしっかりしていれば、あとは客観的に「そう見えるか」の確認だけになっていく。
稽古で利用しながら、今後もブラッシュアップしていく予定。
1. 身体的土台:最小限の素振り
稽古を開始する前に、以下のニュートラルな身体状態を意識しておきます。
ニュートラルポジションの3原則
1. 頭部と首の解放: 視線を感情から解放し、冷静な観察を可能にする。
2. 胴体の統合: 柔軟性を保ち距離調整を正確にする。
3. 四肢の準備: 重力と繋がり、自身の判断に基づく滑らかな移動を支える。
2. 理論的背景
2.1 交流分析の自我状態
態度選択の主体となる心のエネルギー状態です。
| 識別子 | 自我状態 | 機能的役割 |
| A | 大人 (Adult) | 事実、論理、合理的な戦略の実行 |
| P | 親 (Parent) | 支配、管理、規範(CP)、または保護、過干渉(NP) |
| C | 子ども (Child) | 衝動、感情、依存(FC)、または順応、逃避(AC) |
| MIX | 混合 (Mix) | 支配と脆さが混在した共依存的な操作 |
2.2 コミュニケーションの公理(ルール)
グライスの協調の公理を意図的に破る(逸脱する)ことで、対人関係の力学を操作します。
- 量(情報の出し方): 必要十分か、過剰か、不足か。
- 質(嘘か誠か): 確信に基づいているか、虚偽・未検証か。
- 関連性(話題の一貫性): 文脈に従っているか、意図的に逸らしているか。
- 様態(態度の明確さ): 簡潔で明瞭か、曖昧で不明瞭か。
3. 戦術カード・マスターリスト
以下のリストに記された条件に近ければ、選択した態度に見えやすくなります。
I. 協調的な態度 (Constructive)
C-1: 対等な対話
主体: A | ルール: 守る(全公理)
実行コード: 距離・角度: 中立・45度 / 強さ: ニュートラル / 音: クリアな単音
戦略的論理: 全てのルールを守ることで、会話の状況と関係性を対等に維持する。
C-2: 見極めの間
主体: A | ルール: 破る(量の公理)
実行コード: 強さ: 安定維持 / 距離: 中立 / 音: 沈黙(一切返さない)
戦略적論理: 情報提供をあえて控えることで、相手の思考を促し、次の情報を引き出す。
C-3: 建設的な提案
主体: A | ルール: 守る(様態の公理)
実行コード: 強さ: オープン / 角度: 真正面 / 音: 抑揚を排したクリアな音
戦略的論理: 表現の明確さを守り、曖昧さを排除して論理的な議論を主導する。
II. 操作的な態度:P主体 (Manipulative Parent)
M-P1: 強引な押し付け
主体: CP | ルール: 破る(量の公理)
実行コード: 強さ: 拡張・高い角度 / 距離: 真正面・侵入 / 音: 低い破裂音
戦略的論理: 情報過多(威圧)で相手の思考余地を奪い、強制的に服従させる。
M-P2: 親切という名の強制
主体: NP/CP | ルール: 破る(質の公理)
実行コード: 強さ: 固定された視線 / 距離: 管理距離 / 音: 柔らかい音+微細な接触
戦略的論理: 未検証の価値観を「善意」として真実のように扱い、相手の拒絶を封じる。
M-P3: 無言の拒絶
主体: CP | ルール: 破る(関連性の公理)
実行コード: 強さ: 強い姿勢で別視線 / 距離: わずかに逸らす / 音: 無関係な鼻音
戦略的論理: 話題を遮断し、相手の存在そのものを議論の対象外として拒絶する。
M-P4: 過保護な手助け
主体: NP | ルール: 破る(関連性の公理)
実行コード: 強さ: 拡張 / 距離: 不必要な近接 / 音: 優しいトーン+無関係な身振り
戦略적論理: 解決とは無関係な世話を焼き、相手の自立を削いで管理下に置く。
III. 操作的な態度:C主体 (Manipulative Child)
M-C1: 助けを求める甘え
主体: AC | ルール: 破る(量の公理)
実行コード: 強さ: 収縮・低角度 / 角度: 下から見上げる / 音: 泣き言のような高い音
戦略的論理: 弱者の情報を過剰に提示することで相手の保護欲を強制し、自己責任を回避する。
M-C2: はぐらかし
主体: AC | ルール: 破る(様態の公理)
実行コード: 強さ: 軸をずらす / 距離: 視線を合わせない / 音: 揺れる不明瞭な音
戦略的論理: 態度を曖昧にすることで明確な対立を避け、決断の責任から逃避する。
M-C3: 感情の爆発
主体: FC | ルール: 破る(質の公理)
実行コード: 強さ: 瞬間的な身体の緊張 / 距離: 動揺 / 音: 鋭い突発的高音
戦略的論理: 真実や論理を完全に放棄し、感情的欲求を爆発させて議論の土台を破壊する。
M-C4: 話題逸らし
主体: AC | ルール: 破る(関連性の公理)
実行コード: 強さ: 身体の収縮 / 距離: 接点を減らす / 音: 質問に無関係な相槌
戦略的論理: 文脈を意図的に無視し、責任を伴う対話の状況そのものから逃亡する。
IV. 戦略的利用と混合 (Strategic & Mixed)
M-A1: 戦略的な圧力
主体: A(P利用) | ルール: 戦略的逸脱
実行コード: 強さ: Pの強い姿勢 / 距離: 境界線ぎりぎり / 音: Aの冷静なトーン
戦略的論理: 身体的な圧を「道具」として利用し、隠された情報を引き出す緊張を生む。
M-A2: 油断させる弱さ
主体: A(C利用) | ルール: 戦略的逸脱
実行コード: 強さ: Cの弱い姿勢 / 距離: 油断させる距離 / 音: AによるCの音模倣
戦略的論理: 意図的に弱さを見せることで、相手の警戒を解き、情報の優位を確保する。
M-A3: 冷静な情報操作
主体: A | ルール: 破る(質の公理)
実行コード: 強さ: 中立姿勢の固定 / 距離: Aの距離 / 音: 感情を排した論理的な音
戦略的論理: 協調的な態度を装いながら、真実を隠蔽し状況を完璧に管理する。
M-A4: 計算された無関心
主体: A | ルール: 破る(関連性/量)
実行コード: 強さ: 完全リラックス / 距離: 特定部位を注視 / 音: 単調な音
戦略的論理: 人間的交流を計算的に拒絶し、相手の感情的な揺さぶりを無効化する。
M-X1: 感情的な過干渉
主体: P/C混合 | ルール: 破る(関連性)
実行コード: 強さ: 柔らかい密着 / 距離: スペース侵入 / 音: 優しいが不安定な音
戦略的論理: 献身と脆さを同時に見せ、相手に罪悪感と依存を植え付け、関係を拘束する。