「場」のルールと、演技の組立についての覚え書き。
1. リアリティの質について
リアル=「日常の再現」ではないこと。
外見は「読書会」だが、その内実は「情報を用いた応酬」で、その場に居る態度を一貫して崩さず、場に圧力を発生させ、逃さないことが役者に求められる。
通常の会話劇の間で演じると、ただの「仲の良い人たちの集まり」に見えて交わされている会話が上滑りする。
この芝居におけるリアリティは、「俯瞰してみると不自然な熱量と音量で、淡々と会話が進む」 というズレの中に発生する。
- 音量:日常会話の距離感に対しては、ほんの少しだけ過剰なボリューム。
- 速度:思考の停滞(=沈黙)を許さないレスポンス。
観客に「普通に見えるが、よく思い返すとあの熱量は異常だ」と記憶させる。
この違和感が、『定期報告会』の演劇としての企ての核になる。
2. 態度の選択(Adult / Constructive)
感情や気分で反応し、そこで止めると場の空気も一度そこで落ちついてしまう。
ベースにするのは 「大人(A)」 の自我状態。
態度の機能的態度のフレームワークにおける 【I. 協調的な態度 (Constructive)】 を中心の態度として利用する。
感情の処理
「怖い」「面白い」「可哀想」といった感情を表す言葉は、あくまで場から発生する次へのきっかけとして使う。
感情を表す反応と同時に、それを分析・提案に変換して出力する回路を作る。
日常生活でも、フィラーなどで言葉をつなぎ、次につなげる運び方は参照できるはず。それを応用する形で、やってしまうと少し間延びするのでは?という疑念はひとまず置いて、やってみる。
- × 「面白いですね(共感して終了)」
- ○ 「面白いですね。それで言うと、全然勝手なイメージなんですが……」
否定ではなく「上書き」
相手の記憶違いや突飛な説に対し、「違う」と否定するのは建設的ではない。
「そのデータには、別の視点も接続可能だ(Yes, and...)」というスタンスで、自分のネタ(知識)を積み上げる。
否定で遮断せず、情報量で上書きする。それを、この場における「会話」の基本として遵守する。「付け足し」や「上書き」を否定的にイメージしてタイミングを逃さない様に、稽古で確認しておく。